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ウェスタンヘムロックマツ科 | 針葉樹

ウェスタンヘムロックの板
原産地
ウェスタンヘムロックは北米のアラスカ州、ブリッティッシュコロンビア州、ワシントン州、アイダホ州などに分布しています。
比重
気乾比重:0.48
強度
やや軟らかい
特徴
ウェスタンヘムロックは樹高が60m、胸高直径が2mほどに成長するかなり大きな木で、高価な広葉樹材の代わりとして幅広い用途で活躍している木材です。日本ではベイツガの名前でも呼ばれており、比較的、容易に手に入れる事ができます。

乾燥はやや難しく、特に厚い木材は亀裂や表面割れの危険性が高い為、注意深く行う必要があります。しかし、乾燥後は狂いの少ない安定した木材となります。

強度に関しては全体的に中庸で、曲げに対する適正や圧縮に対する強さも中庸だと言えます。
加工についてはウェスタンヘムロックは木理が通直で硬さもあまりないので、手道具や機械、電動工具でも容易に行う事ができ、割れの心配もあまりありません。また、道具の刃先を鈍らせる性質も殆ど見られない事から加工性の高い木材です。
しかし、耐久性は劣っており、辺材はキクイムシなどの虫の害を受けやすく、腐朽に対する抵抗力もあまりない為、使用する用途を室内に限るなどの工夫したり、耐久性が必要な場合は保存薬剤などの処理を施す必要があります。

ウェスタンヘムロックが内装材として好まれている理由にはには心地よい芳香を持っている事もあげられます。
ウェスタンヘムロックの木
その他の名称
ベイツガ、パシフィックヘムロック、ブリティッシュコロンビアヘムロック、アラスカパイン、ヘムロックスプルース
学名:[Tsuga heterophylla]
価格
安価
色調
心材は淡い橙色を帯びた褐色をしており、やや色の濃くなっている年輪は細かい感覚で刻まれています。
用途
ウェスタンヘムロックは主に住宅の内装部分や建具の材料として使用されており、やや軟らかい事から握った時の感触が良い為、道具の柄などとしても利用されています。

また、以前は鉄道の枕木としても利用され、紙を作る際のパルプの原料にもなっています。
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