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ユティレセンダン科 | 広葉樹

ユティレの板
原産地
アフリカ大陸の中央部。カメルーン、ザイール、ガボン、ガーナ、コートジボアールなどに生育しています。
比重
気乾比重:0.66
強度
やや硬い
特徴
ユティレは樹高が50m以上にも達し、胸高直径も2.5mほどになる非常に大きな木です。また、同じアフリカ産のアフリカンマホガニーと多くの特徴が類似しており、マホガニーに近い樹種だと言えます。

乾燥は通常通り行う事ができますが、狂いを生じる傾向がやや見られます。乾燥後も変形しないとは言い切れませんが割と安定した材料になります。
強度は広葉樹の中では並のレベルだと言えます。特徴としては衝撃にやや弱く、弾力性もあまりなく、蒸し曲げなどへの適正は非常に低い木材です。しかし、圧縮に対する強さだけは高い数値を記録しています。
加工は容易に行える木材ですが、木理が交錯している事があります。また、刃物の刃先を鈍らせる性質もやや見られる為、その点にも注意が必要です。仕上がりに関してはマホガニーに近い色調と緻密な木質を持っている事から素晴らしい仕上がりを得る事ができます。
心材部分は耐久性の高い木材ですが、辺材部分はキクイムシなどの害を受けやすいので、辺材は虫の害を受けないような用途で使用する必要があります。

ユティレはマホガニーの代替材としても利用されてきましたが、認証された供給元がなく、危急種に指定されています。
ユティレの木
その他の名称
ユティル、シッポ
学名:[Entandrophragma utile]
価格
やや高価
色調
辺材の色は淡褐色で、心材は赤褐色をしています。辺材、心材の色調が全く違う為、境界は明瞭でハッキリしています。また、時間の経過と共に暗色を帯びていきます。
用途
ユティレは家具の材料や店舗や家屋の内装材として主に用いられます。また、楽器やスポーツ用品の材料として利用される事もあるようです。
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