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タブノキクスノキ科 | 広葉樹

タブノキの板
原産地
タブノキは日本国内の本州より以南、海に面した地域に主に見られますが、瀬戸内海地方だけは生育が確認されていません。
また、日本のタブノキと同種の木が中国(中華人民共和国)南部、朝鮮半島の南部、台湾などにも分布しています。
比重
気乾比重:0.65
強度
硬い
特徴
タブノキは樹高が20m、胸高直径が1m程にまで成長する木で、クスノキ科の樹木という事もあり、イヌグスなどと呼ばれる事もあります。

乾燥に関してはかなり困難な木材で、特に厚みのある木材などは時間をかけてじっくりと行う必要があります。
また、タブノキは硬さがある為、完成品は良いものができますが、ノコギリなどの切削作業やカンナがけなども容易ではなく、しばしば交錯木理があらわれる事もある為、加工が難しい部類の木材だと言えます。
強度については、広葉樹の中でも硬い部類に属し、摩耗などにも強いため、内装材や家具の材料に適しています。
タブノキは耐久性にも優れており、腐食に対する耐性を持ちます。

色の濃いタブノキは「ベニタブ」と呼ばれる事があり、その場合、色の薄いものは「シロタブ」と呼ばれます。
タブノキの木
その他の名称
タブ、イヌグス、タマグス、ヤマグス、クスダモ、ベニタブ、シロタブ
学名:[Machilus thunbergii]
価格
安価
色調
辺材は淡褐灰白色で、心材は黄色をやや帯びた紅褐色をしています。辺材と心材の境界を見つける事はできますが、ものによってはあまりハッキリしないものもあります。
用途
タブノキは主に家具材や内装材など、ある程度、硬さが必要な用途に用いられます。

木材以外の用途としては線香の杉粉を固める為のタブ粉がタブノキの樹皮から取れる事でも有名です。
また、タブノキの樹皮からは黄八丈(八丈島に古くから伝わる絹織物)の染料なども取れる事から、伊豆諸島では大切に育てられているそうです。
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