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シタンマメ科 | 広葉樹

シタンの板
原産地
ミャンマー、カンボジア、ラオス、タイ、マレーシア、ベトナムなどの東南アジア及びインドの南部に生育しています。
比重
気乾比重:0.82~1.09
強度
非常に硬い
シタンの木
その他の名称
紫檀、ホンシタン、本紫檀、バユン
学名:[Dalbergia cochinchinensis]
価格
高価
色調
辺材は灰白色、心材は暗赤帯紫褐色で、心材、辺材の色調は全く異なる為、境界は見つけるのは容易です。
特徴
シタンは非常に硬い木材で木理は交錯し、重硬なため、乾燥および加工性にやや難がありますが、正しい加工をした後は肌触りの良い美しい仕上がりが得られる樹種です。
加工中はシタン特有のツンとする香りを感じますが、加工が終わり製品になったものは殆ど匂いは感じません。

特に処理などを行わなくても虫や菌に侵されにくく、腐りにくい為、耐朽性には極めて優れている樹種と言えます。
心材は色味の違う部位が複数重なっているので縞模様に見えます。
乾燥は困難ですが乾燥後は狂いの少ない木材となります。

シタンにコクタン、タガヤサンを含めたものを「三大唐木(唐木三木)」と呼んでおり、これらの樹木は昔から評価の高い樹種として広く知られています。
コクタンよりシタンの方が少し硬いとされています。
他の唐木と同様に成長が遅く、樹木の直径は大きいもので80cm程度です。

紫檀は内装材や仏壇の材料としては最高級のものとして知られており、そのような用途で使用できるサイズの大きな木材はとても高価ですが、小物の材料となる木切れがホームセンターなどでも販売されている為、そういった意味では割と身近な木材だと言えます。

厳密にはタイ産の物が本物のシタンだと言われていますが、ブラジル産のキングローズウッドなどもシタンと同じとする場合もあるようです。
用途
シタンは主に数珠などの仏具、仏壇、高級箸、お椀、靴べら、唐木細工などの小物の材料として使用されます。
また、内装材としては床柱として利用され、琵琶や三味線の棹(サオ)など和楽器の材料として使われる事もあります。
正倉院の宝物の中にも楽器、双六局、碁局、挟軾(きょうしょく)など紫檀が使用されたものが多く残されています。

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